・東大,京大合格者
・医学部,薬学部合格者
・早稲田,慶應合格者
・難関国立大合格者
共通テストの物理は、ある意味、二次試験より難しいと言えます。
国公立大学の医学部、薬学部、歯学部を志望する受験生は90%以上の得点率を目指したい科目でもありますよね。理科は安定した得点源にしたいところ。
そもそも物理の勉強をする時に1番大事な認識は「公式を当てはめれば解ける!!」ということ。
勉強姿勢としてのポイントは以下2点です。
(そして覚える。成り立ちを知ることで色んな状況で公式を当てはめられるようになる。)
・正しいイメージを持つ
要するに巷で言う「本質を掴む」という意識が不可欠です。
さて、今回お話するのは以下3点です。
- 1年を通した物理の勉強計画
- 基礎づくりにおける物理の勉強のリアルな流れ(おすすめの問題集も)
- 共通テストにおける各単元のポイント
ある程度物理の勉強が進んでいたり「もう7月だよ!」って人は、適宜端折っても構いません。
ただし「今後の受験勉強生活を見通した大まかな進度の計画」は立てるようにしましょう。
1年間を通した計画
頻出度や難易度を踏まえて、各単元の進める順番は①力学→②波動→③電磁気→④熱(→⑤原子)をおすすめします。
私の持っている教科書を参考に各単元の項数を数えてみました。
①力学 9項
②波動 9項
③電磁気 16項
④熱 4項
⑤原子 2項
各項目の重さもふまえて、次のペースで進めるとよいです。
②波動 2項×4週+1項×1週(6月)
③電磁気 2項×8週(7月〜9月)
④熱 2項×2週(9月)
⑤原子 8項 4項×2週 (9月)(軽めでOK)
10月〜12月は志望校の過去問や模試、共通試験に向けての総合演習に力を入れていきましょう。
ただし、秋以降でも、週10〜30題くらいはよく間違えた問題を解き直して、公式の導出も一緒に思い出すようにしましょう。
基礎づくりにおける勉強のリアルな流れ
解いた問題には「日付」と、解けなかった回数だけ「チェックマーク」を記すようにしましょう。
年間計画の1週間に進む項数分において、週6時間(私だと週間勉強時間の30%に当たる)をかけて、次のサイクルを繰り返します。
(エビングハウスの忘却曲線を参考に、1週間かけて新しい知識を学び、2週間目以降にまた復習をかけるような仕組みを作っています。)
1st day (120分)
- 教科書の基本問題を教科書見ながら(使う公式とその公式の背景をざっと確認)解く&使った公式を自分で導けるよう確認
→教科書の基本問題を何も見ずに解く&使った公式を自分で導く(出来ない時は教科書読みながら出来るようになるまで繰り返す)
これが一番きついです。ここを乗り越えればなんとかなります。
ただ、いきなり教科書読めって言われても頭に入らない人は多いと思います。私もそのひとりでした。
私も国公立医学部を目指して勉強していたひとりですが、結果的にセンター物理は90%とれたものの、物理は大の苦手でした。
いまだに物を曲げると重心が変わるという現象が感覚的には受け入れられないくらいの、物理センス皆無の物理音痴です。
それでも「ルールはルール」と受け止めて勉強していけば「なんとかなる」ということです。
これから、私なりの「力づくで教科書を読むハウツー」を説明します。
1.まず、いきなり、教科書の基本問題を見ます。そして解説を斜め読みして「公式を当てはめること(力のつり合いの等式をつくる)で解いていくんだ!」ということに、気づく。
解説にある、数値代入をするイコールの前の文字式が公式です。あと「〜の法則より」という文言も公式と思ってください。
まだ難しいこと考えなくていいです。
2.「この公式ってどう使うんだろう?どういう意味?今なんの話?」と思いながら教科書を「該当範囲の最初から」一周斜め読みした後、音読する。
公式の存在を頭に置いておきながら読む、というのがポイントです。
単元ごとの導入の文章はイメージを掴むのに役立つので、公式の説明だけでなく加えて読みましょう。
ex.力積の話だったら「今、運動の激しさを表す式の話してるんだ…運動の激しさの話がこの公式につながるのか…で?…ああなるほど、質量と速度をかけたものが運動量といわれるもので、これは公式に出てきてる文字式だな…」のような感じで読んでいく。
3.テキストを音読していて、ピンとこない物理量や公式・法則は前の単元に遡って定義を確認する(ex.力Fって結局なんだっけ…みたいな)。
最初のうちはそれでもピンとこないとおもいます。ですので、なんとなく「あの公式に出てきた、そういう単位のあの物理量…なるほどなるほど(?)」という認識でOKです。
なんとなくの理解でいいので、この不明点の確認作業を怠らないようにしましょう。
あとで「面倒な思いした甲斐あった」と効いてくるので。
4.問題に戻ってきて、問題文の文字や数値がどう公式に代入されているか、手を動かして解説の式を写してみて確認する。
なんとなく「確かに…」と思えればOKです。(ここがひとまずのゴール)
このへんで、公式に出てくる物理量のイメージがつかめてきて、公式の成り立ちの抽象的な説明文も、より分かってきます。
5.同様にどんどん問題を進めて、終わったらまたその日最初に解いた問題に戻って、今度は自分で公式に数値を当てはめる。その公式の成り立ちも自分で説明できるよう考える。
ざっくりとこんな流れで、教科書と戦ってみてください。
[affi id=10]
2nd day (1st dayからなるべく連日で) (40分)
- 教科書の基本問題を何も見ずに解く&使った公式を自分で導く(出来ない時は教科書を読みながら出来るようになるまで繰り返す)
目標は、1st dayより早く回すことです。
◎3rd day(1st dayから3日以内に) 100min
- 該当範囲の問題集の問題を一周解く(「良問の風」なら多くて5題程度)&使った公式を自分で導けるか確認
発展問題は解けなくてもOKです。解答を見てしっくりくる、くらいが理想です。
私のおすすめの問題集は「良問の風」(河合塾出版)です。
同じくらいの問題数の「重要問題集」より「解説が丁寧」なのと、基礎づくりに「ちょうどいいレベル」(簡単ではないです)という点で、推します。
(「重要問題集」は「特殊な問題にも対応」しています。ですので、物理が得意 or 難関大学を目指す受験生は「実戦練習を積める」という意味で用意すると良いかもしれません。)
また良問の風は「河合塾」が出版していることでもアツいです。
私は受験時代、河合塾にお世話になっていた時期もあったんですよね。
河合塾の講義は洗練されていたし、テキストの問題は少ないのにポイントがギュッと詰まっていて、本当タメになりました。
講義ですが、基本的に講師が「一貫した解き方」で問題を片付けていくので、真似しやすいんですよね。伝統的なものから流行りのものまで、問題を研究し続けて得た技術なんだろうなと感動します…。
文系科目の講義だと、ひとつのキーワードから色んな知識を引っ張ってきて教えてもらえるので「効率がいい」です。
ということで、河合塾への信頼もあって良問の風をおすすめしておきますね。
4th day(1st dayから5日以内に) 100min
- 問題集で出来なかった問題と教科書で3回以上スラスラ解けなかった問題を解く
まとめの時間ですね。8〜9割くらいの正答率を目指したいところです。
5th day(1st dayから1週間以内に) 60min
- 今やってるより前の単元から、何回も間違えたところを4題以上ピックアップして解き直す
1週間以上前に習った公式の使い方を思い出す時間に使ってください。
◆共通テストにおける各単元のポイント
★全体
・言葉の「定義」「単位」をはっきり捉える。
ex.電位と電場の違いは?今使ってる文字はスカラーなのかベクトルなのか?
・「公式の成り立ち」を自力で説明しきれるようにする(巧妙な形で問われる)。
・計算問題も自分なりに「図」を描いて解けるようにする。
★力学
・公式の成り立ちを理解して自分で説明できるようになるのが、もっともハード。公式もややこしい概念も多い。1日でわからなくても挫けなくてよい。
・わからない問題は、解説の式に、問題文の文字や数値がどう使われているかを何度も確認するとしっくりくるようになる。
・ちなみに滅多に出てこない万有引力の単元、「ケプラーの法則(3つ)」と「第1〜3宇宙速度」の内容を入試前に頭に詰め込むことを忘れないように。
★波動
・図が大事(苦手な人多し)。光の場合も(特にレンズとか)。どういうときにどう波が伝わるか、教科書に載ってるパターンは理解して頭に入れる。
・出てくる式に関しては、力学がなんとかなっていれば大概心配ない。
★電気
・荷電粒子の問題は、力学の簡単な設定の問題のように捉えられたら簡単。
・コンデンサーは、二次試験で出題されがちな複数繋がれる問題より、単体で使う問題のほうが混乱させられる。前者をマスターしても出来た気にならないこと。
・静電気の話と電気力線の図は要チェック。
★熱
・問題のパターンが1番限られていて正答率が高い。
★原子
・選択問題として出題されるが、選択できるもう片方の問題より難易度が明らかに低いことも。どうしてもと言うなら捨ててもいいが、一応、持ってる問題はひととおり見ておいて表面的にだけでもさらっておくのがベター。ちょっと知っておけばすぐ得点になるので。
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まとめ
- 今後の受験生活全体を通した計画を立てる。
進める単元の順番、時間をかける順番は①力学②波動③電磁気④熱⑤原子。 - 勉強の基本は「教科書」「復習」。1週間6時間〜かけて何度も同じ問題を解く。
教科書を読むときに頭に置いておくことは「何の話をしていて、どう公式(法則)につながってるか」 - 物理の共通試験勉強のポイントは、言葉の「定義」や「単位」をきっちり確認すること、「公式の導出」を自力で出来るようにすること、「図」を覚えたり描いたりすること
物理はある日バァァァンと上がる科目です。
たとえ物理のセンスがなくても、共通試験の物理で90%取って、医学部に合格することは可能です。
挫けそうになったときは、自分が分かるようになったことを確認しながら、頑張ってみてください!
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