大学入試改革によってセンター試験が廃止、2021年からは1次試験として「大学入学共通テスト」が導入されます。
中でも大きく変わるのが英語で、リスニングの比重が増加します。
センター試験はリーディングとリスニングのバランスが4:1で、リスニングの難易度も高くありませんでした。
そのためリーディング部分を重点的に対策して、リスニングは直前に少し練習すれば何とかなりました。
しかし、大学入学共通テストはリーディング100点、リスニング100点です。
リスニングの問題量が増えることによってバリエーションも多くなり、難易度も上がります。
そのため受験生は早めのリスニング対策に乗り出さなければいけません。
今回はリスニングに不安を抱える受験生の皆さんへ、リスニング力の鍛え方を伝授します。
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なぜリスニングができないのか
リスニングができない原因は大きく分けて3つあります。
1.そもそも単語を知らない
当然ですが、単語を知らなければ意味を理解することはできません。
文章全体の98%の単語を知っていることが文章理解の条件だと言われています。
またある説によると全英単語のうち、80%の単語を知っていれば英語を適切に理解できるそう。
センター試験の英語を理解するには1500語前後の単語を知っている必要があるとされていました。
難易度が上がると予想される大学入学共通テストでは、それ以上の単語数が必要でしょう。
これは主に読解の話ですが、リスニングについても当てはまります。単語の暗記は外国語学習における基本です。
2.英語の音声を記憶していない
リスニングができない原因、第1位がこれです。
音声の記憶に関しては2つの場合分けができます。
単語の音声を正しく記憶していない
これは多くの日本人に当てはまります。
日本語は英語と発声の形式が根本的に違うため、日本人の英語は「カタカナ英語」になってしまいがち。
カタカナ英語でも読解はできますが、リスニングは不可能です。なぜなら音声が全く違うからです。
例えば「Water」という単語。
カタカナ英語では「ウォーター」と発音します。しかしネイティブスピーカーはそうは言いません。
あえて日本語で書くなら、「ワダ」や「ワル」です。
また英語と日本語では発声の仕方がまるで違います。
具体的には「音声の切り方」の違いです。
例えば「interesting」という単語。
カタカナ英語では
「イ・ン・タ・レ・ス・ティ・ン・グ」です。
一方でネィティブスピーカーは
「インツ・レスティング」のように発音します。
(ちなみにノンネイティブの英語中級者なら「インタ・レスティング」と言います。)
英語は仮名のように1語、1語を区切るのではなく、ある程度のまとまりごとに発音します。
単語の音声を覚える時は音のまとまりを意識してください。
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文章中の音声変化を知らない
英語では、単語同士がくっ付いて文章になると音声が変化するという性質があります。これを知らなければ英語が聞き取りづらいでしょう。
次の文章を見てみましょう。
‘Laura and her family came to visit.’
(引用:Rachel’ s English)
この文章は「ローラ アンド ハー ファミリー ケイム トゥー ヴィジット」ではありません。
「ローラ アナァ ファムリ ケイム ダ ヴィズィ」です。
「and」や「her」、「to」など文意にとって重要度の低い単語は、弱く発音されます。
そのため「アンド」は軽めの「アン」になります。
「トゥー」は「タ」や「ダ」になりやすく、「ハー」の「h」は抜け落ちることが多いです。これが英語の音声変化です。
大学受験の段階で音声変化を細かく覚える必要はありません。
ただ全てを単語通りに発音するわけではないということを頭に入れて、英語を聞くようにしましょう
3.英語のスピードに慣れていない
そもそも単語の意味や発音が頭に入っていなければ、聞き取れるわけがありません。
一方で意味も発音も覚えているのに聞き取れない人はスピードに慣れていないだけ。
その人が聞き取れるようになるのは時間の問題。
あとはたくさん聞いて慣れるだけです。
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リスニング力の鍛え方
ここからはリスニングができない原因を踏まえて、リスニング力の鍛え方を紹介します。
単語を覚える
単語が頭に入っていない人はここから始めましょう。
単語を覚える方法は、「単語帳をひたすら見る」です。
センター試験よりも難しくなることを想定して1500単語以上は確実に覚えましょう。
効果的な覚え方は毎晩、大量の単語を見ること。
私はセンター試験の英語で1問ミスでしたが、夏頃から毎晩単語帳を一冊分見ていました。
また寝る前の暗記は記憶の定着が良いと科学的に証明されています。
単語帳は好きなものを買えば良いですが、おすすめを2冊紹介します。
- 英単語ターゲット1900 6訂版 (大学JUKEN新書)
大学受験では定番の単語帳ですが、私も1次試験まではこれを使っていました。1400語のバージョンもあり1次試験に対応していますが、大学入学共通テストの難易度が読めない以上、1900の方が良いでしょう。2次試験の対策にも使えます。
- JACET8000英単語
すでに英語がかなりできる人は手に取ってみても良いかもしれません。
私は京大に入ってから使い始めたので、受験には十分過ぎると思います。
この本には難関大受験レベルはとして5000単語が収録されているので、5000語だけ覚えるのもありです。
発音を覚える
音声が正しく記憶されていないと英語は聞き取れません。以下、二つの方法を試しましょう。
発音記号を覚える
発音記号が読めると単語帳での学習が捗ります。
たいていの単語帳や学校の教科書には発音記号の読み方が載っているので覚えるようにしましょう。
完璧に覚える必要はありません。単語自体の発音を覚えるのが目的なので大体で良いです。
発音記号について、どうしても詳しく知りたいという人は、以下のような本もあります。音声も付いているので、試してみてはどうでしょうか。
音声変化はYouTubeで雰囲気を掴む
先述したように文中の音声変化については、大学受験の段階では詳しく覚える必要はありません。
ただ雰囲気を何となく掴んでおくと、英語が聞き取りやすくなります。それには以下のYouTubeチャンネルがおすすめ。
YouTube : サマー先生と英会話 ! 【プライムイングリッシュ】
こちらのチャンネルは日本語で分かりやすく解説してくれるので、英語が全く聞き取れない人におすすめです。
YouTube : Rachel’s English
このチャンネルは上級者向け。全て英語での解説なので難易度は高めです。
しかし情報量としてはこちらの方が圧倒的に多く、リスニングの練習も同時にできることが魅力です。
ネイティブの英語に慣れる
単語の意味と発音をある程度覚えきたら、あとは実践あるのみ。
ひたすらネイティブの正しい発音の英語を聞きまくりましょう。
フレーズを覚えたり、シャドウィングするのも有効です。
教材はYouTubeを使っても良いですし、アメリカのテレビドラマを観るのも良いでしょう。
ドラマなら、個人的には『フルハウス』がおすすめです。
まずはリスニング力をしっかりつけよう!
過去問など具体的な1次試験の対策に関しては急ぐ必要はないでしょう。
英語が聞き取れないのにテスト練習ばかりするのは非効率です。
まずは根本のリスニング力を磨きましょう。
単語の意味や発音を覚えるなど先述したリスニングの練習は、リーディングにも役立つものです。
ぜひ受験勉強に取り入れて下さい。健闘を祈ります。
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