これまで色々な記事でお伝えしてきましたが、2021年の教科書改訂により中学英語は2020年までと比べ質量ともに増えました。
具体的に言えば、
以上は指導要領の変化ですが、中学校の定期試験の出題内容も変化が見られるので、ここで共有しておきます。
なお、以下のデータは教材屋さんから伺った内容です。
リスニング:約25%
読解:約25%
英作文:約35%
その他:15%
*このデータは2021年1学期(前期)試験-中学1年生の出題傾向です。
出題傾向を詳しく見てみる
ここで少し詳しく出題傾向を見てみます。
リスニング
リスニングについては40点以上(!!)の学校が15%を占める。
もちろんですが、100点満点のテストです。
100点中40点がリスニングなので、苦手な子にとっては点を取るのがかなり難しい印象です。
読解
教科書からの引用は約2割しかなく、基本は他から持ってきた英文を読ませる。
生徒にとって、その英文が全くの初見の英文かそれとも授業内で配られた補助プリント等からの出題か細かい点は不明だが、「教科書本文の暗記」はもう通じなくなりつつある。
英作文
自己表現力=英語で自己紹介や英文を読んでの感想や考えなどを表現する力が必要となっています。
穴埋め問題、選択問題よりもグッと難度は上がります。
正確な文法知識と豊かな語彙力が必要です。
スペルも正確に書けないと減点されるので、英語が苦手な子にとっては得点するのは簡単ではありません。
その他
和訳の出題頻度が下がっています。
教科書本文が訳せることは重要ですが、それのみでは点は取れないテストになってきています。
まとめると、
「単語を覚えて、本文を暗記し、ワークで文法を仕上げればOK!」みたいな学習では点が取れないということです。
特にリスニングは注意したほうがいい
新学習指導要領では通知表の観点別評価も従来の4項目から3項目へと変更がありました。
ここでは詳しい説明は省きますが、リスニングはその内の「知識・技能」「知識・判断・表現」に強い影響力を持っています。
今までは「リスニングは苦手だけど単語や文法はできる」という生徒でも4とか5がもらえたりもしました。
ですが現在、リスニングが苦手な生徒は(中学校によっては)観点別評価で下げられ「3止まり」というケースも多く出てきています。
学習指導要領の変更、定期試験の出題傾向の変化は英語が苦手な子にとってはかなり大きいものと思われます。
ご家庭でも英語の勉強法について再度考えてみてもいいかも知れません。
特にリスニングについてはしっかりと対策を練る必要があると言えるでしょう。
あとがき
塾は学校と比べて少ない時間数でカリキュラムを進めます。
文法の分量が増えたぶん、塾でもよりテキパキ単元を進めていかないとダメになりました。
「分かるまで教える」とか「徹底的に覚えさせる」みたいなことをやっていると進度の遅れが生じます。
なので生徒の定着には目をつぶり進めざるをえません。
このような状況で、さらに「リスニングの練習」「初見の英文も読める力」「英作文も書けるようにする」というのはけっこうハードモードです。
英語が苦手な生徒の多いクラスはなおさらです。
現在、私の校舎で使う来年度のテキストを検討しています。
通年教材は会社指定のものがあるのでそれを使いますが、副教材に関しては校長の裁量で決められるので教科書準拠ワークを候補としていました。
でも、「準拠ワークでは点を取りにくくなった」のは確かのなので…さて、どうしたものか。少し考えてみます。
現在塾に通っている方へ。
お通いの塾はしっかりリスニングや英作文のトレーニングが出来ていますか?
授業時間やカリキュラムの都合でそれらに力を入れていない塾もあるかと思います。
英語の点が思うように取れない方は返却された定期テストの解答用紙をチェックしてください。
ひょっとしたら塾でカバーしきれていない部分の正答率が悪い可能性があります。
万が一そうであるならば、必ず塾の先生に相談して対策を考えるようにしましょう。
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