「塾に通っているのに成績が上がらない…」と悩む保護者は多いと思います。
今回はこの悩みに対するアドバイスをしてみたいと思います。
少しは参考になると思います。
塾に行っても成績が上がらない理由は4つ
理由を述べる前に、大前提として塾に行っても勉強ができるようにならない、という子はいないということはご理解ください。
塾に行けば何かしらの成長があるはずです。
たとえば「計算が速くなった」「英単語を覚えられた」など。
どんな子でも「以前は出来なかったけど今は出来るもの」が増えているハズです。
ただ、こういう小さな成長に保護者は気付かない、もしくは満足出来ない。
「”よくできる”が3つ増えた」とか「定期試験で20点あがった」などの目に見える結果が欲しい。
もう一つ。
「もしも塾に行っていなかったら……」と考えてみましょう。
塾に行かなくても現在の成績が維持できるのかどうか、もっと悪い方向にいっていないか を考えてみましょう。
それらを考えた上で、それでも現在の塾に満足できない という方は以下を読んでみてください。
子どもの成績が上がらないのは大きく4つの理由によるものと考えます。
一言で成績と言っても、学校の成績が上がらないのか、模試の偏差値が上がらないのかで理由は異なるのですが、今回は「学校の成績=評定が上がらない」に絞って書きます。
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1.子どもが講師の指示に従わない
本来、どの子も塾に行けば成績が上がります。
これは断言できます。
にも関わらず、なぜ成績が上がらないのか。
それは子どもが担当講師の指示を聞いてない(というよりその指示を行動に移せていない)という場合が多いです。。
以下に具体例を出します。
1.安易に遅刻や欠席をするな
2.学校の授業もきちんと聞く
3.宿題はやる
4.出来なかった問題は必ず復習をする
5.試験前は学校のワークを早めに終わらせる
どうですかね、きちんと言われたことはできていますかね?
たぶんできていない子がほとんどでしょう。
特に「4.出来なかった問題は必ず復習をする」です。
毎回と言ってもいいほど、私は授業で「出来なかった問題は必ず復習しておきなさい」と言います。
で、ほとんどの生徒はこれを聞き流します。
なぜかというと、この指示は強い強制力がないからです。
先生はやれと言ってるけど宿題ではない⇒やらなくても怒られない⇒だからやらない
と子どもは考えます。
この指示を聞き、きちんと復習している子は間違いなく成績は上がります。
勉強は、IQみたいな知的能力も大事ですが、それ以上にセルフコントロール力が大切です。
やるべきことをきちんとやる能力があれば成績は必ず上がります。
安易に今通っている塾を辞めたり、転塾を検討する前に、子どもの学習姿勢を見つめ直してみるのが一番だと思います。
多くはこのへんが改善すれば成績も上向きます。
とは言え、「きちんとやらせるのが塾の仕事だろう」との声も聞こえてきそうです。
そのあたりが2つ目の理由になります。
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2.塾に原因がある場合
今回は「学校のテストの成績」に絞って書いています。
(偏差値アップについては別の記事で)
塾に行く最大のメリットは学習機会が増えることです。
で、このメリットを活かせないと成績は上がりません。
多くの塾は学校先行型(学校よりも早く先に進む)です。
なので、一つの単元に対しては以下のような学習、定着の流れになります。
①塾で新単元を習う
↓
②塾の宿題で復習
↓
③塾で確認テスト
↓
④学校がその単元に入る
↓
⑤学校の宿題・ワーク提出
↓
⑥学校のテスト前勉強
以上のように、一つの単元に対して6回もの学習機会があります。
これだけ学習機会があれば、「分からない」「できない」ということはあまりないかと思います。
にも関わらず「点数が取れない」ということは、どこかで問題があるハズです。
そして、その問題を塾が見逃しています。
(もしくは気付いていても流している)
大事なのは①~③です。
2-1.塾で新単元を習う
「塾の授業が分からない」ということは、よほどハズレの先生にあたらない限りないと思います。
しかし、少なからずハズレの先生もいますし、講師と生徒の関係が良好か、相性はどうかなどを確認してみましょう。
また、その授業を集中して受けられているかは確認しましょう。(私語・居眠り等)
2-2.塾の宿題
ここから、ルーズになる塾(講師)が出始めます。
チェックすべきは以下の2つです。
1.宿題をやっていない場合の対応
2.量と内容は適切か
勉強の基本は復習にあります。
宿題は、復習させることで理解と定着を促すために出されます。
ここがルーズだとダメです。
まず、子どもがきちんと宿題をやっているかをチェックします。
必要であれば、塾の担当の先生に直接聞いてもいいかも知れません。
また量と質が子どもに合ったものでなければ、効果の薄い学習になってしまいます。
ここもチェックしましょう。
2-3.確認テスト(小テスト)
塾では生徒たちの定着具合をはかるために確認テストをやっているはずです。
(やってない塾は信用しないほうがよい)
で、大事なの「やりっぱなしになっていないか」です。
確認テストの結果が良ければ、その単元の理解はOKということです。
あとは忘れないように復習機会を設ければよいです。
問題なのは、確認テストの結果が不十分なのにそのまま流れている場合です。
たとえば確認テストの出来が8割以下の場合はどうしているかは確認しましょう。
・再テストの実施
・補習授業
・課題の指示 等
きちんとやっている先生であれば、確認テストの結果が悪い生徒には上記のようなフォローをしているはずです。
なぜなら「分からないまま」にしておくことが一番ダメだからです。
ここのところは、ぜひ保護者も塾に確認しておきましょう。
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3.IQ、知的活動能力
いわゆる能力、地頭系の話です。
「脳の8割は3歳で完成」「6歳の壁」「7歳の壁」「9歳の壁」「10歳の壁」とか言われるヤツですね。
それを言っちゃおしめぇよ なのではありますが。
塾側の立場になれば、最低限の読み書き、計算力、暗記力がないと子どもの力になってあげることが難しいケースもあります。
また、研究でも明らかなようにIQは遺伝的要素が強く、訓練しても中々高くなりません。
IQや知的活動能力を鍛えられるのはせいぜい小学生までです。
もし、お子さんが中学生ならそこは受け入れましょう。
中学生として必要な分だけ勉強しているのであれば、その事実を認めてあげることも大切です。
基本的には塾は子どもの頭をよくするところではありません。
塾は教科の技術的な指導はしますが、頭を良くするトレーニングはしません。
じゃあ、「これ以上頭はよくならない」からといって諦あきらめるのかといえばそうではなく、悲観する必要もないかと思います。
勉強は地頭の良さ以上に大切なことがあるからです。
そのあたりのことが、次の内容になってきます。
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4.EQが低いと成績成績は上がらない
学力は、IQ×EQで決まります。
EQは超超超重要です。
頭が良い生徒が、学力が高いとは限りません。
逆に、知的活動能力は高くないのに、学力があり成績優秀な子は結構います。
そういう子は、みんなEQ要素が高いです。
~EQ(非認知的能力)~ |
好奇心 情熱 やる気 意欲 |
勤勉性 やり抜く力 計画性 |
創造力 工夫する力 |
自制心 自己管理 自己認識力 |
忍耐力 耐久力 心的回復力 |
集中力 感情コントロール力 |
ポジティブ思考 問題対処能力 |
勉強に関係しそうなEQ要素を挙げてみました。
個人的には、成績伸び悩みの最大の原因はEQ(非認知能力)が高くないことにあると考えています。
たとえば、
・高い目標を持ってそこに向けて計画的に勉強でき、かつその計画をやり抜く力がある。
・また何事にも知的好奇心を持って学び、短期的な失敗にもマイナス思考に陥ることなく前を向いて努力出来る。
みたいな子だったら成績は上がりそうじゃないですか?
EQ要素は勉強,スポーツ,芸術,仕事・・・色々なところで必要とされる力です。
特に勉強であれば、
「マジメできちんと自己管理ができ、計画的に机に向かい、粘り強く最後までやりきる力」があれば、成績は上がります。
結局、EQ要素が高い人は何をやっても成功する可能性が高いです。
上で述べたように、成績が上がらない理由は、
①子どもが先生の指示を聞かない
②塾の指導に問題
③地頭のよさ、賢さ
④EQ要素
の4つです。
ここからは、その改善策について提案していきます。
まず③は別として、①②④の3つはそれぞれが密接に関係しています。
たとえば、「①子どもが先生の指示を聞かない」というのは、
・先生の指導力不足→②
・子ども自身に原因→④
という具合です。
そのあたりを念頭に、解決策を考えていきます。
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解決策-どうしたら成績は上がるのか
とりあえず、今回は学校のテストで結果を出すことを目標にしたお話をします。
学校の定期試験は短期目標です。
たとえば入試のように1年とか2年のスパンで考える長期目標ではありません。
なので、前述のIQとかEQの成長、子どもの精神的な成長を待つというような時間を要すものは省きます。
今回は即効性があり、結果が期待出来る2つの解決策を提案します。
1.今までの学習の流れをチェック
2.学習計画の作成と実行 の2つです。
今までの学習の流れをチェック
再度、学習~テストの流れを確認してみましょう。
①塾で新単元を習う
↓
②塾の宿題で復習
↓
③塾で確認テスト
↓
④学校がその単元に入る
↓
⑤学校の宿題・ワーク提出
↓
⑥学校のテスト前勉強
学習~テストまでの流れの中で問題点がないかを確認します。
①塾で新単元を習う
・塾の授業が分かりやすいか、担当との相性
・クラスのレベルは適切か
・集中して受けているか(私語、居眠り)
②塾の宿題で復習
・宿題はきちんとやっているか
・やっていない場合はどのように対応しているのか
・宿題の量と質は適切か
(多すぎる,少なすぎる,難しすぎる,簡単すぎる 等)
③塾で確認テスト
・単元確認テストを塾でやっているか
・やっている場合はその出来はどうか
・確認テストの結果が悪いときはどのようにしているのか(補習・追試等)
④学校がその単元に入る
・学校の授業をきちんと聞いているか
⑤学校の宿題・ワーク提出
・宿題や提出物はきちんとやれているか
⑥テスト前勉強
・塾でのテスト対策はどうなっているか
・子ども自身はきちんと試験勉強しているか
以上①~⑥はすぐに確認出来ると思います。
問題があるようなら、塾,子ども,家庭の3者でコミュニケーションをとって改善します。
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学習計画の作成と実行
次に、「これをやれば結果が出る」というシナリオを作ることです。
まずは塾に通っているメリットを最大限に活かす方向でそのシナリオを考えます。
塾に相談して具体的なアドバイスをもらうようにしましょう。
その際に以下の情報を集め、現状認識と方向性を考えます。
・前回のテスト結果(点数)
・次回のテスト範囲
・次回テストまでの時間
これ基に学習計画を練ります。
学習計画はできるだけ具体的に作成します。
また取り組みに優先順位をつけます。
その際、復習の時間、出来ていない問題の解き直しの時間も入れるようにしましょう。
【学習計画】
- いつやるか(曜日,時間)
- どこでやるか(自習室,自宅)
- 科目は何か教材は何か(問題集,ワーク,プリント)
- どこをやるか(単元,ページ) など
学習計画の作成は、塾と子どもで作るのがベストです。
計画はより具体的に作ります。
超具体的でないと塾も子どももルーズになる可能性があるので注意しましょう。
「時間があるときは自習室で勉強する」みたいな曖昧な指示・計画はダメ。
作成は塾と子どもに任せ、不十分なようなら保護者も関わっていけばよいでしょう。
そして上手く塾を活用します。
特に、中学生の定期試験前は有効に利用すべきです。
・学校のノートを持っていって対策プリントを作ってもらう
・ワークをコピーしてもらう
・テスト対策授業には参加する
・分からない問題はどんどん質問する
・中学校の過去問を分析してもらい、出そうな問題を聞いてみる 等
特に最後の、中学校の過去問を分析してもらうは効果があります。
普通の塾は、地元の各中学校の過去問を保存しているはずです。
塾の先生たちは出題傾向等を分析しているはずです。
「何が出題されそうですか?」と聞けば教えてくれるでしょう。
ちゃんとやってる塾なら予想問題を作ってくれるかもしれません。
そして、「やると決めたことは最後までやる」ようにします。
以上を継続して取り組めば成績は上がります。
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子どもたちは、
聞いただけで分かった気になり、
見ただけでできそうな気になります。
塾に行けば、そういう気になりやすいです。
でも、結果を出すためには、自分でやることが重要です。
繰り返しになりますが、「成績が上がる戦略の作成」と「それを実行すること」が重要です。
(【大学受験】夏休みで一気に点数を伸ばす!京大合格者のアドバイスを読んでみてください。実行力の大切さがすごく分かると思います。)
何かを得たければ何かを捨てないとダメです。
たとえば、
・学びにならないYoutubeやゲーム
・友達とのムダなLINEやTwitter
などです。
これは保護者もそうです。
試験前にテスト対策などで塾に行く日が増えた場合は、その分送り迎え等で保護者の負担が増します。
土日などは午前中から塾へとなればお弁当の用意も必要かも知れません。
参考書、問題集が必要なら購入してあげなければなりません。
本気で成績を上げたいのであれば、
子どもは強い意志を持って行動し、親はそれを全力で応援してあげる。
それが大事かなと思います。
で、子どもへの勉強面でのアドバイスやモチベータとしての役割は塾にお願いしましょう。
最後は精神論みたいな話になってしまいましたが、成績を上げるための魔法は存在しないし、ラクに簡単に目標に届く近道はありません。
たくさん努力をして、時間をかけ、いっぱい問題を解いていっぱい間違える。
そういう一見遠回りに見える道が、実は目標達成への近道だった、ということが往々にしてあると思うのです。
ただし、やみくもに努力するのではなく、きちんと現状の分析して具体的な学習計画を立て、それを実践するようにしましょう。
最後までお読みいただき有難うございました。
少しでもみなさんの参考になれば幸いです。
・塾を上手く利用する
・具体的で効率的な学習計画
・計画したら即実行
・やりきる強い気持ち
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