この記事は卒業生・保護者・塾関係者による学校レビュー記事です。
口コミ投稿サイトにはない、詳細でリアルな情報や率直な感想などを発信しています。
*あくまで一個人の感想であり、必ず学校説明会等に行きご自身の目で学校をご確認ください。
*情報は投稿者在学時(記事執筆時)のものです。現行のものと異なる可能性があります。
ぜひ受験校選びの参考にしてみてください。
2016年入学、2022年卒業の卒業生
校風
生徒の自主性を非常に重視する傾向がありました。
単なる成績だけでなく、部活などで培われる責任感や他者との共生にも非常に重きがおかれます。
先代の校長先生のお言葉に、「かわい子ちゃんになりなさい」という決まり文句がありました。
今の校長先生にも受け継がれている言葉で、「周りの人々と高め合う関係を築きながら、芯を持った素敵な女性に成長してほしい」というような意味合いで使用されていたように記憶しています。
特に珍しい毎朝HRの後に5分間、「運針」といって 玉留めをしない赤い糸で1mの布を繰り返し縫います。
校則
非常に厳しいです。
肩にかかる髪の毛は結ぶ、スカートは膝下、化粧や染髪も勿論NG。
スマートフォン等電子機器の使用も基本は校則違反で、音が鳴ると没収され 複数回同じことが起きると保護者の方にも連絡が行きます。
ただし、1年間かけて課題探求を行う「探究活動」の時間のみ調べ学習が解禁され、自由にスマートフォンを使用することが可能になります。
部活
全生徒参加必須です。
中高一貫校ですので、初めに入った部活に6年間在籍する生徒もいれば 高校生からしか入れない部活などに移籍する生徒もいます。
部活を休む際は正当な理由を以て「欠席届」を提出する必要がありましたが、コロナ禍を経て形骸化しました。
時間は、HR終了時刻である15時10分の30分後、15時40分からスタートします。
池袋という繁華街の立地ということもあり、下校時刻は早めの設定となっており 部活終了も17時です。
(下校時刻以降はセコムにより 先生も生徒も入ることができなくなります)
テスト一週間前は原則部活動禁止です。
学校活動
イベントによって力の入れ具合が全く異なります。
力を入れている代表的なものとしては、文化祭と合唱コンクールが挙げられます。
文化祭は「生徒自身が楽しむ」ものというよりも、むしろ「受験生などのお客様を楽しませる」ことが重視されていました。
部活単位で展示や発表を行い、その内容やシフト等 ほぼ全てを生徒主体で決定します。
(文化祭前後は部活動が忙しすぎて、勉強に割く時間が通常の10分の1も取れない、なんてこともざらにありました)
準備や開催は非常に大変ですが、そのぶん受験生をはじめとしたお客様にはとてもご満足いただけることに定評があり 毎年とても多くの来客数を誇っています。
合唱コンクールは中学の3年間のみ毎年行われます。
合唱に非常にお強い音楽の先生がいらしたことが発端にあり、本校のコーラス部は毎年学校対抗のコンクールでとてもいい成績を収めています。
合唱コンクールでは、コーラス部員を先頭に クラス対抗でその出来を競います。
毎日の朝・昼練習は勿論、ローテーションで使用可能な体育館での練習など、ほぼ全員参加で完成度を高めます。
クラス替え間近の3学期に、改めてクラスの結束を強くする機会として 非常に大切にされています。
対照的に、運動会や遠足 修学旅行などは、団結をすることではなく 個人個人がいかに行事を楽しむか、という点に焦点が当てられます。
勿論 これらのイベントを準備するための委員なども設置されますが、一人一人の興味の有無にその参加率が反映されます。
特に運動会などは、待機中にノートなどを持ち込んで勉強をする生徒までいます。
進路・大学受験の実績や学校の取り組み
大学受験の実績に関しては、毎年ある程度優秀な成績を収めていると考えられます。
例年 最低でも10人程度、東京大学への合格者を輩出しています。
また、特徴的な点として 女子校の中では随一の医学部進学者数を誇ります。
(生徒全体のうち4割ほどが医学部に進学します)
特に生徒に対して医学部に誘導するような教育が行われていたとは感じませんが、数学や英語 化学など、理系の科目に重点を置いていたことは記憶しています。
そもそも、豊島岡に入学させる保護者の方々の半数以上が「大学は医学部に進学させる」ことを検討しているのではないかと存じます。
また、進路イベントとして、本校の卒業生に訪問してもらい 勉強法についての不安や質問を解消する場が用意されていたり、既にご就職されている先輩の職場を訪問して 直接お話を伺う機会が設けられていたり、と 進学だけでなく、その先のキャリアを想像させるような 充実したキャリア教育がなされていました。
受験を検討されている方へのアドバイス
今までの記述でなんとなく想像のついた方もいらっしゃるかと存じますが、豊島岡は非常に勉学に力を入れています。(勿論、勉強だけでなく 部活動など様々なものに力を入れていることを前提とします)
事実、豊島岡の先生方は「塾に行かずとも、大学受験で志望校の合格を勝ち取れる」と明言していますし、実際私自身もそう感じます。
ただ、そういった名言がされるということはつまり それだけ日々の勉強が非常に大変である、ということです。
基本的に毎授業ごとに予習・復習の課題が課されますし、長期期間中の課題もしっかりと全科目から出されます。
個人的には、「勉強に対して積極的であり、自分から進んで勉強机に向かう」ようなお子様でない限り 在学中に一度はパンクするタイミングが来ることは覚悟すべきかと存じます。
そのうえで、中学受験を行う上での 勉強に関するアドバイスをさせていただき この記事を締めさせていただきたく存じます。
中学受験における豊島岡の問題は、4科目どれも「基礎ができているかを問う」問題でしかありません。
難しい応用問題が多数出題されるわけではなく、基礎基本の部分が盤石であればどんな受験生でも合格を勝ち取ることが可能です。
よく言及されるのは 算数の図形問題の特殊性ですが、その点のみはしっかりと対策を行い 他の部分はどの教科も基礎の土台を繰り返し確実にしていくことが大切です。
これらの知識は中学入学後も非常に有効であるかと存じます。
最後になりますが、中学受験をゴールとせず その先のキャリアを深く考えた上で 一つの選択肢として豊島岡への受験を検討していただければ幸いです。
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