小学校1年生のウチの子がZ会とスマイルゼミを併用して勉強しています。
前回はスマイルゼミに絞ったレビュー記事を書いたので今回はZ会のレビュー記事を書いてみます。
まず「Z会といえば大学受験の通信教育」というイメージを持っている方も多いかと思います。
“速読英単語”などの質の高い参考書、問題集を多く出しており、お世話になった方も多いことでしょう。
そして、大学合格実績は相変わらずスゴいです。
東京大:1,208人 / 京都大:961人
早稲田大:2,447人 / 慶應大:1,770人
そのZ会が作った教材なので、「けっこう難しめなのかな?」とイメージしていましたが実際はどうだったのか・・・レビューしていきます。
- Z会小学生コースの特色(紙テキスト)
- 受講者によるリアルな感想
- 教材等の種類や内容
- メリットとデメリット
- 上手な活用法や注意点 など
この記事はZ会「小学生コース(紙テキストタイプ)」のレビューです!
ウチの子が受講しているコースと料金
小学1年生のウチの子が受講しているのは「小学生コース」。
紙テキストを使って学習をしていくスタンダードコースです。
以下に会費を挙げます。
【スタンダードコースの受講費】
1年生:3,927円/3科(国,算,経験学習)
2年生:4,301円/3科(国,算,経験学習)
3年生:5,068円/4科(国,算,社,理)
4年生:6,004円/4科(国,算,社,理)
5年生:8,140円/5科(国,算,社,理,英)
6年生:8,370円/5科(国,算,社,理,英)
*料金は執筆時のもの。
*税込み。
*12ヶ月一括払いの料金。
小1になるウチの子が受講しているスマイルゼミ(2,980円/月)と比べるとZ会はちょっと高く感じるのは否めません。
ちなみにZ会にも「タブレットコース」が用意されており、こちらは1年生で2,992円/月~とスマイルゼミと同じくらいの会費になっています。
資料請求フォームで受講料の試算が可能です。気になる方はコチラからご確認ください。
Z会のマイナス点
最初ににZ会のマイナス点や注意点を挙げておきます。
マル付け、説明等で親のヘルプが必要
タブレット型のスマイルゼミは1問ごとに自動でマル付けしてくれます。
そのため「間違ったやりかたで最後までやってしまう」ということがありません。
しかし、Z会だと1ページ終わったら○付けすることが多いと思います。
そうすると、最初から最後まで間違った解き方でやってしまい「最悪の場合は全部やりなおし」みたいな状況に陥る可能性あります。
なので、適度に親がチェックする必要があるかと思います。
「ある程度見る必要がある」ということはそれだけ、進度・理解度・定着度などを親が把握しやすいということでもあります。
これはメリットでもありますが、「放っておいても大丈夫なスマイルゼミ」との比較で言えばやはりデメリットになります。
- マル付けは親がする必要がある場合も
- タブレット型のようにすぐ間違えに気付かない
- ただし、親は子どもの習熟度等を把握しやすい
「仕事や家のことで忙しくてチェックをする時間がない」という保護者の方はZ会だと不都合を感じる場面が出てくので注意が必要です。
また、マル付けだけではなく、分かりないところも教える必要が出てきます。
料金が高め
冒頭でも触れましたが、タブレットコースであればスマイルゼミあたり同じような受講料になりますが、紙テキストタイプのスタンダードコースだとちょっと割高感はあると思います。
なので、しっかりと取り組まないと損になります。
個人的にはこの「受講料が高い」というのを親のモチベーションとして利用したいと考えます。
仮にウチの子がサボってやらなくなったら、「あの時、子どもにZ会をやらせると決めた自分の判断が間違っていた」ことになります。
で、当然ですが自分の間違いは認めたくないし、損もしたくありません。。
よって、上手に使いこなして「やっぱりやって良かった!」という方向に持っていきます。
Z会のスタンダードコースを検討中の方は、「タブレット型」「紙テキスト型」それぞれのメリット・デメリットをよく考えるようにしましょう。
「小学1年生がスマイルゼミとZ会を併用~塾講師が比較してみた~」では、そのあたりのことを深掘りして書いているので読まれてみてもいいかも知れません。
紙テキストにこだわるなら多少の割高感には目を瞑り、スタンダードコースを選択。
受講料をできるだけ押さえたいのであれば、スマイルゼミ等を含めたタブレット型学習を検討してみてもいいかも知れません。
小学生コースの特色
ウチの子はスマイルゼミとの併用なので「小学生コース」を受講しています。
紙テキストを使って学習するコースを受講しているので、当然特色は紙テキストの良さが全面に出たものになってきます。
書くチカラ
スマイルゼミのタッチペンもなかなかのレベルにありますが、やっぱりそこはタブレット。
運筆練習という点では、紙テキストがやはりいいです。
毎日やるワークの「ドリルZ」。
しっかりと漢字の書き取り練習ができます。
国語のテキストには作文課題もあります。
最近の小学校は日記や作文を書くことが少ないですが、しっかりと「書くチカラ」を伸ばすことができます。
例文が載っているので「思ったことを書きなさい→それが出来ないから困ってるんだ!」みたいなことにはなりません。
中高一貫校人気、適性検査型入試の普及、大学入試での共通テストの開始。記述力・表現力といった「書くチカラ」の重要性は確実に高まります。
考えるチカラ
また、「じっくりと考える力」を身につけられる点も非常に好印象です。
パズル要素を含んだ考えさせる問題もあります。
スタンダードコースの基本テキストでも思考力が身につきます。
国語も記述問題があります。
スマイルゼミは基本選択問題ばかりで「考えなくても答えは出ちゃう」のですが、記述問題であればはそうはいきません。考えなかったら答えは永遠に出ません。
勉強のできる子・できない子の違いの一つに「考えられるかどうか」があります。
勉強の苦手な子は問題をパッと見て「あっ、ムリかも」と思ったらそこで思考停止しちゃいます。
ちょっと考えればできる問題でも考えようとしません。
逆に、成績上位の子って難しい問題ほど楽しんで取り組むんですよねえ。
この差はとっても大きいです。
学習サイクルと1日の勉強時間は?
学習サイクルは下記のようになります。
【Z会の学習サイクル】
1.前月末に教材が届く
2.テキストに取り組む
3.提出課題に取り組み郵送
4.返送された課題の復習
テキスト、提出課題ともにしっかりと取り組む必要があります。
次に各学年の学習時間です。
*スタンダードコースの時間です。1年生は約10分/1日
2年生は約20分/1日
3~4年生は約30分/1日
5~6年生は約40分/1日
低学年のうちはそれほど勉強時間は長くありません。
これなら、子どもの負担にならず学習習慣を身につけやすいですし、ウチみたいにスマイルゼミとの併用もムリなくできます。
ただし、高学年になるとけっこうな時間になります。毎日40分やるというのは学習習慣が身についてない子にはけっこうハードルが高いかも知れません。
逆に、「勉強がある程度できる=きちんと机に向かえる子」にはぴったりかと思います。
低学年の子は早めに「学習習慣を身につける」ことが大切ですね。
(もっともZ会をやる・やらない問わず学習習慣は一番大事です!)
届く教材は?
受講すると以下のものが毎月届きます。
学習カレンダー
学習カレンダーは毎月届きます。
通信教育の一番のネックは強制力が弱いので、サボろうと思えばサボれるところです。
モチベーション維持にはやっぱり努力の見える化が欠かせない・・・ということで子どもたちの大好きなシールの登場です。
Z会では、毎日の課題が終わる度にシールを貼ります。
ウチの子も、やっぱり「シールを貼りたいから頑張る!」と言って頑張っています。
スタンプ
これだけは入会時のみに届きます。毎月ではありません。
テキストやワークの終わったページにスタンプを押します。
3種類のスタンプが用意されていて、ウチの子は正答率や達成具合に応じて使い分けていますね。
ウチの子はシールよりもスタンプのほうが楽しみのようです。
エブリスタディ(メインテキスト)
毎月届くメインテキストです。
まずはこれを使って新単元の内容を理解します。
「どんどん学校の先取りを」といったテキストではありません。
進度の速さよりも、理解の深さに主眼を置いたテキストといった印象です。
中身は前述のように記述式の問題が豊富に入っています。
ドリルZ
演習用のワークです。
国語は漢字の書き取り練習、算数は計算がメインです。
小学校1年生では国語or算数を毎日1ページやっていきます。
このワークで定着を図ります。
添削問題
国語・算数各15分のテスト形式です。
まとめテスト的なもので月末にやります。
☆算数☆
☆国語☆
終わったら付属の封筒で送ります。
答案返却
約3週間後に採点して返却されます。
こういう封筒で送られてきました。
中を確認します。
カラーの成績表が入っていました。
算数のオモテ
算数のウラ
大問毎にコメントを書いてくれています。
とっても有り難いです。
国語オモテ
作文は本人が書いた内容に応じたコメントをくれました。
このあたりはタブレットのスマイルゼミと比べると「温かさ」みたいなものを感じまね。
本人もすごく喜んでいました。
国語ウラ
Z会は担任制のようです。
そう言えば、送られたきた教材の送り元にも「担任:○○」とお名前がありました。
引用:Z会
かなり丁寧に添削してくれます。
あと、字がとてもきれいで上手です。
最初は「パソコンで打ってプリンターで印字してるんじゃ?」と思いましたが、どうやら先生が直接ペン入れしているようです。(何度も出てくる字をよく比べてみましたが毎回微妙に異なっていました)
習い事を一切やっていない本人にとっては親や学校の先生以外の大人から褒められるという経験があまりなかったのでとっても嬉しそうにしていました。
経験学習
理科的なものと社会的なものが届きます。
これは親も一緒に取り組みます。
テキストには「2時間程度」とあるのでけっこうな時間が取られます。
どうやら今度の日曜日は子どもと一緒にシャボン玉を作ることになりそうです。
詳しい説明は省きますが、先月の社会は”塾用の中高一貫対策テキスト”でも散見される内容でした。
一貫校受検も意識して作られているのかも知れません。
- 「けいけん」は親子で取り組みますが、けっこう時間がかかります。
- 内容は「社会を作っている仕組み」を理解することに主眼が置かれています。
- 身の回りにあるモノ・コトに対する興味・疑問・知識を身につけることは適性検査型入試で活きると思われます。
みらい思考力ワーク(オプション)
ウチはオプションで「みらい思考力ワーク」もやってます。
(追加料金は770円です)
これは思考力の幅を拡げるためのものです。
具体的には以下の6つの力が身につくようになっています。
【思考力ワークで身につく6つのチカラ】
- 論理的判断力
- 推理力
- 情報整理力
- 注意力
- 試行錯誤力
- 連想力
内容は「賢くなるパズル系」のドリルと似たものになっています。
ウチにある”賢くなる系パズル”
勉強のできる子の特徴として「考えることが好き」があります。
情報を整理して、「こうすればいいんじゃないか」と仮説を立て、実際に試行してみて上手くいくかどうか検証します。
答えが出なければ、再度条件等を整理してもう一度チャレンジ!
この繰り返しによって、考えるチカラが身につきます。
試しに下の画像の問題をやってみてください。
これも1年生用の問題ですが、「ちゃんと考えないと答えが出ない」ように作られているのが分かると思います。
その他にもブロック系や国語系のパズルも入っています。
一生懸命、何度も何度も考えて正解が出せたときの喜びは大きいものです。
そしてそれが子どもの自信にもつながります。
何よりも難しい問題でもトコトン粘れる姿勢が身につくのがとってもいいですね。
もしもZ会を検討中でしたら、この「みらい思考力ワーク」を追加することをオススメします。
最後に
以上、Z会についてでした。
ここからはみなさんへのアドバイスです。
「校外学習をどうするか」と考えたときに選択肢はたくさんあります。
でも、何が正解かはお子さんによって変わります。
ウチの上の子のように、「4年間KUMONに行ったけど成績はずっとボロボロ。でも通信教育に切り替えたらめちゃくちゃ成績が上がった」みたいなケースもあります。
これは、「KUMONはダメ」とか、「通信教育のほうががいい」という話ではありません。
その子に合うかどうかが一番大切です。
そのためには、色々試さないと正解は見つかりません。
KUMONや塾に体験にもどんどん行くべきだし、通信教育なら片っ端から資料請求したり、無料体験キットをやってみたり。
私は塾講師をやっています。その中で、中学生になっても自分に合った学習スタイルが見つけられない生徒をたくさん見ています。
もしも低学年のうちに、お子さんに合った学習スタイルが見つてあげられればかなりのアドバンテージになるはずです。
ぜひ、お子さんに合った勉強が見つかるといいですね。
最後までお読みいただき有難うございました。
- 記述力,表現力などの書くチカラを伸ばす
- じっくり、しっかり考える力が身につく
- 質の高い教材ワークが毎月届く
- 中高一貫や適性検査型入試を受ける予定のご家庭にはとってもオススメ
受講料 | 3,927円/月~ |
---|---|
テキスト | 紙テキストorタブレット |
レベル | 少し難しめ |
特徴 | 考えさせる問題が多い |
受講から3ヶ月経って
小学校1年生の子がZ会(紙テキストのスタンダードコース)を始めて3ヶ月が経ちました。
「あと伸び」が特徴のZ会らしさが結構出てきました。
10月号の答案が返ってきました。
9月号と比べると、国語の点が大きく下がって60点。
(算数は95点でした)
やっぱりZ会は簡単ではありませんね。
ここからは、各ご家庭の考え方だと思いますが、ウチとしては簡単に高得点を取れるようなものは出来れば避けたいと考えています。
もちろん、高得点を取っていれば安心される保護者の方もいるとは思いますが、出来ないものを出来るようにするのが勉強であって、それが成長に繋がると考えているからです。
なので60~70点くらいのものが子どもにやらせるレベルとしては適当と思います。
当然ですが、間違えた問題の解き直しは必須です。
(解き直しは学習カレンダーにも入っています)
情報を整理し、自分で考える力をつける
国語は文章題が多くなってきました。
文章も入会当初と比べると長くなってきました。
また表現力、文章力をつけるための作文も多めです。
算数も量的感覚を身につけるカリキュラムが出てきました。
もちろん計算ができるといった数的感覚も大事です。
でも、量的感覚があると図形問題に強くなるといったメリットがあります。
学年が上がるにつれ、量的感覚があるかどうかの差は大きくなってきます。
中学生になったときに計算だけできて「3」になるか、ある程度応用問題も出来て「4」が取れるかくらいの差にはなると思います。
みらい思考力ワークもけっこう難しくなってきました。
- 地図を読み取る力
- 読み取った情報を整理して分析する力
- 筋道立てて論理的に考える力
を重視した問題になってきました。
勉強が苦手な子は考えることを嫌がります。
逆に勉強が得意な子は考えることが好きです。
じっくりと粘り強く考えられるかどうかはとっても大切です。
学校の簡単なテストで100点を取りたければ、わざわざZ会にする必要はありません。
今やっている目の前のテストではなく、5年後10年後の入試で点が取れることを期待してやらせるのがZ会かなと個人的には思います。
- 記述力,表現力などの書くチカラを伸ばす
- じっくり、しっかり考える力が身につく
- 質の高い教材ワークが毎月届く
- 中高一貫や適性検査型入試を受ける予定のご家庭にはとってもオススメ
受講料 | 3,927円/月~ |
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テキスト | 紙テキストorタブレット |
レベル | 少し難しめ |
特徴 | 考えさせる問題が多い |