大手通信教育で働く公立一貫校適性検査対策講座の作文添削員です!
都立中高一貫校を受検するためには、かなり綿密な対策が必要です。
特に作文の対策は、学校の勉強だけでは不十分なことが多いのです。
しかし、塾が近くになかったり、習い事が忙しくて塾に通えない、などといった事情がある方もいるでしょう。
このような場合に、自宅でできる対策を紹介します。
まずは過去問を確認
ご家庭で都立中高一貫校作文の対策をする場合は、まず過去問を確認していただきたいと思います。
各校のホームページにも何年分か掲載されていますし、解説付きの本を買ってきても良いでしょう。(6年生になったら、最新の傾向を知るために、一番新しい出題が掲載された解説付きの本を買うことをお勧めします。)
ただし、最初からお子さんにこれを見せることは避けましょう。
ご覧になって驚く方も多いと思いますが、かなりレベルが高く、受験の準備を始めたばかりのお子さんにいきなりこれを見せると、苦手意識を持ってしまいかねないからです。
| Z会-作文講座 |
都立中高一貫校の場合、作文の出題の多くには次のような傾向が見られます。
- 長文の課題文が1本ないし2本提示される。
- 課題文の内容について要約や説明を書くことが求められる。
- 課題文の内容に対する意見、あるいは課題文をもとにして、自分の考えを作文にする。
多くの場合400字から600字程度の作文を書くことが求められます。
数年分の過去問を確認して志望校がどのような内容、レベルの出題なのか把握しましょう。
課題文を読むために
都立の場合、基本的に課題文を読むことが求められているので、過去問と同じくらいのレベルの文章をすらすらと読める力をつける必要があります。
課題文は論説文や随筆が多いのですが、まれに小説が使われることもあります。
学校では物語文の読解を授業で行うことが多いのですが、論説文は読み慣れていない場合が多く、対策が不可欠です。
まずは普段から本を読む習慣をつけて、「早く読めるようにする」ことが大切です。
かなりの分量の文を短時間で読む力がないと太刀打ちできません。
また、小学生新聞などを購読するのもおすすめです。
語彙力を高め、社会問題への意識を高める効果があります。
お子さんと一緒に読んで、少しずつ読むことに慣らしていきましょう。
課題文の読解と要約・説明問題への対応は、繰り返し練習しておくことも必要です。
いくら内容を理解していても、手際良く読んで決められた字数内でまとめる、という作業ができないと、点数につながりません。
様々な問題集が出ているので、本人の取り組みやすいものを選んで見ましょう。
最初は薄いものから始めて、達成感をつかませるのがコツです。
| 引用:[affi id=23]|
文章を書く力を養う
課題文の理解がしっかりできていても、そこから自分の意見を作文としてまとめるというのは大変なことです。
お子さんが問題集で作文を書いたら、以下の点を確認してあげてください。
設問で聞かれていることにはっきり答えているか。
なかには自分の体験をもとにして書きなさい、などという条件がある出題もあります。
これにきちんと合っているか、という点も注意しましょう。
- 主張と根拠がしっかりかみ合っているか。
- 与えられた字数の8割から9割は書けているか。
- 丁寧な字でかけているか。
- 主述の呼応している正しい文や正しい漢字で書けているか。
- 原稿用紙の正しい使い方ができているか(段落の最初はひとマス空けるなど)。
これらのことが一つでもきちんとできていたら褒めてあげましょう。書くことが楽しいという気持ちを持たせたいものです。
考える力を養う
都立中高一貫校の作文では、与えられた問題についてその場で自分の考えを出すことが求められます。
また、なぜそう言えるのか、自分の主張に対する論拠を示す必要があります。
普段から学校で積極的に意見を発表できるお子さんなら、難しいことではないようにみえますが、意外とここでつまずく場合も多いのです。
この対策としては、新聞の投書欄などで意見が分かれる問題を探し、家庭内でディベートをしてみるのもおすすめです。
「テレビゲームを1時間以内に制限するのはよいことか」
「ランドセルを6年生まで使い続けたほうがいいか」
など身近な問題を取り上げ、理由をしっかり説明しながら賛否を述べあう、という練習をしてみましょう。
賛否どちらに立つかはくじ引きで決めるなど遊びの要素を取り入れ、子供の意見を尊重することが、身のある学習につながります。
この取り組みの目的は「唯一の正解」を導くことではなく、自分の考えを整理して、恐れなく発言する、という練習だからです。
これができないと、本番で自分の意見をパッと出すことができません。
通信教育の活用
ただし、全ての対策をご家庭だけで行うのは少々無理があるかもしれません。
時間的に大変なだけでなく、反抗期に差し掛かる子どもに親が指導する難しさがあるからです。
作文は子どもなりに自分の意思を表明するものなので、親に頭ごなしに批評されると反発したり、逆に委縮して自分の意見を出せなくなってしまうお子さんもいます。
また、作文の指導と言うのは、正解がはっきりしないだけに、素人では何が問題でどう導いていいのかわかりにくい部分も多いのです。
できれば通信教育などで、他人に作文を読んでもらう機会を用意したいものです。
例えば、[affi id=23]やZ会の小学生向け作文講座などもおすすめです。
ブンブンどりむは小学1年生から受講でき、6年生は中高一貫校作文対策をうたっています。
Z会の作文は5年生から受講できます。公立中高一貫校を目指す人は6年生から専用の作文コースがあります。
「ブンブンどりむ」も「Z会」も、文の読みかた、要約の仕方、論点を絞る方法、自分の意見を組み立てる方法など、順を追って練習するものなので、中高一貫校の作文に対応した実力をつけることができます。
また、月に一回実際に書いた作文を送ると採点してくれて、客観的に今の力を計り、足りないところはどこなのか指摘してくれます。
他人が自分の書いた作文を読んで評価してくれる、というのは、受験に取り組むお子さんにとって大きな励みとなるでしょう。
このような通信教育を利用する場合は、資料を請求し比較してみて、お子さんに向いているものを選びましょう。
| Z会-中高一貫適性検査 |
模擬試験の活用
最後に、ご自宅で対策される方に必須と考えるのは、模擬試験です。
試験というものに慣れるためにも、受験生全体のなかでどの程度のレベルなのか掴むためにも、必ず模擬試験は受けたいものです。
都内では多くの模試が行われているので、6年生になったら是非何回か参加してみて欲しいと思います。
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