受験勉強さえ頑張れない!?
~体験談*勉強苦手編〜
「受験生だけど、勉強は苦手だしやらないか…」と、勉強の苦手なお子さんを前にして、親御様まで諦めていませんか?
今回は特別に、勉強が苦手な中でも成功した2人のお子さんについてご紹介します。
【体験談1】勉強の成功経験が少なかったAさん
Aさん自身、勉強をしなければいけないとは分かっていました。
でも、中学2年生までは「わからないし面倒くさい」「どうせテストでも失敗するし」と勉強を避けてきました。
「勉強=失敗する」感覚のまま受験生を迎えた、Aさん。私は3年生でAさんの担任を任されたのですが、進路の話をすると、いつも顔を曇らせていました。
Aさんを救った3つの鍵
1. 誰にも言わない夢があった
実はAさんには夢がありました。正直、とてつも無く大きな夢でした。
しかし、誰がどう言おうと、私は絶対馬鹿にはしませんでした。
Aさんがやっと話せた「大切な夢」ですから、私も一緒に大事にしたかったのです。
2. 将来への道を一緒に描いた
Aさんに夢を叶えるために、まずは高校に行こうと話しました。
するとAさんから「家に負担をかけたくないから、バイトもできる高校にしたい」という言葉が。
卒業後に夢を叶えるスクールに通える方が良いなど、一緒に将来のことを考えました。
3. 小さな成功を大きく喜ぶ!
受験科目を中心に、「基礎を徹底的に勉強」しました。難しい問題と戦って嫌になるのではなく、広く浅く基礎を固めました。
そして、学校のテストでは自分の解ける問題を探す練習をしました。
そして褒めまくりました。
「得意の基礎問題がテストでも解けたね!」
普段も
「今日はこんなにできたんだ!お母さん(他の先生)にも見せないとね!」
Aさんは勉強の話でも笑顔を見せるようになりました。
Aさんに変化が
Aさんも「高校に行きたい」と自分から言うようになりました。
将来に希望ができたような表情でした。
そして、テストでは今まで点数だけを見て落胆していたのが、自分の練習した問題が少しでも解けたら、喜べるようになりました。
高校はもちろん第一志望を合格し、その後卒業まで頑張りました。
【体験談2】高校に行く価値を見つけられなかったBさん
中学3年生でBさんの担任をしました。
「高校はいかない」「これ以上勉強したくない」それが返ってくる言葉でした。
でも、Bさんと話すうちに、その理由が見えてきました。
Bさんを救った3つの鍵
1. 高校に行かない選択肢を一緒に真剣に考えてみたら…
Bさん自身、より厳しい現実が待っていることに気が付いたようです。
実際に求人案内を見ても、「求人!資格:高校卒業〜」という職場は沢山あるのです。
実際中学校でも、高校から募集の案内は沢山きますが、仕事募集の案内は現代はゼロです。(一昔前は求人案内が来ていたそうです。)
2. 友達が大好き!
Bさん自身、中学校生活も友達と過ごす時間が大好きでした。
勉強は嫌い、授業も嫌、でも友達がいるから毎日行く、そんなタイプのお子さんでした。
3年生になり、周りで高校の話をする友達が出てきました。
そこで私も「友達と同じ高校なら3年間楽しく頑張れるんじゃない?」と聞くとBさんも「…うん」と言い始めました。
3. 補助金制度の話を保護者の方に知らせた
Bさんは兄弟が多い中の一番上で、実は経済的なことを心配していた様子でした。
「行きたくない学校に、お金まで沢山かかる」Bさんは内心そう思っていました。
しかし、現代は経済的な理由で高校に行けないことがないよう、色々な制度があります。
私は保護者の方にも「高校=高くて行けない」と最初から決めつけておられたので、制度をご紹介しました。
もちろん、本人にも「お母さんが、心配しなくて大丈夫だって」と話をし、安心してもらいました。
また、受験勉強で塾を検討しているご家庭は塾代の貸付制度もあります。東京都の場合は進学すれば返済免除です。
Bさんに変化が
授業は顔を上げて聞くようになりました。
忘れ物や遅刻も減り、学校生活を送る態度もずいぶん変わっていきました。
本人なりに、すごく頑張ったのだと思います。
友達と同じ高校を目指し、見事合格しました。
少しBさんより学力の高い高校でしたが、友達が大好きなBさんは頑張って卒業もできました。
Bさんと私は「合格したら必ず卒業する」と約束をしていたので、その知らせを聞いた時は心から嬉しかったです。
【最後にご紹介】
〜成功への階段〜
はっきりと言えることは「勉強は本人がやる気にならなければしない」ということです。
そして、本人がやる気になってスタートしたとしても段階があります。
- ステップ1. 勉強は必要だ!と思って始める
→この時点では、わからないことがあったり、つまずくと投げ出してやめがちです。
- ステップ2. できた!という小さな成功体験を積み重ねられる
→「わかった」「他の子より得意かも」「目標を達成した」などです。これを感じると少し楽しくなり、勉強を継続できるようになってきます。
- ステップ3.「負けたくない」「成功させたい」という強い思いを持つ
→テストの点を友達に負けたくない、受験で合格したいなど
→この気持ちまでくると「やらずにはいられない」と自分でモチベーションを保てるようになります。つまり目的や意思がはっきりしているほど、自分で勉強をします。
如何でしたか?これらの体験談が、そのままご参考になるわけではないと思います。
しかし、一人ひとりのお子さんに合わせた解決策の鍵は必ずあります。
まずはお子さんと話してみましょう。
そして褒めて、励まし、自信を付けてあげることが、私たちに唯一できることかもしれません。
お子さんの成功を心から願っております。
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