受験勉強さえ頑張れない!?
〜原因は…親の圧力?〜
「〇〇さん家の子、受験生になって勉強に打ち込み始めたんだって」
こんな話を聞く度に焦りを感じ、我が子が心配になっていませんか?
今回は特別に、私が教師をしながら寄り添った、実体験をご紹介します。
受験生の親御様は必見です!
なぜなら受験は、お子さん一人で乗り越えるものではありません。
ご家族や学校、皆んなで乗り越えるチーム戦なのです。
- 本人の意志を聞いてあげる
- 口うるさく言うのはNG
- 最終的な志望校は本人に決めさせる
【体験談 1】志望校を親が決めたケース
志望校を親が決めてしまったAさん
Aさんは、学校生活に問題はなく、大人しく真面目な生徒でした。
中学3年生になり、三者懇談で進路希望を伺ったところ、親御様が「絶対ここ!」と志望校を決めていらっしゃいました。
しかし、その高校はAさんの学力ではかなり難しい学校でした。
〜Aさんの本心〜
「親にお金のことで迷惑をかけたくないから、少しでも安いその学校に行かないと」
「でも、その高校に入るのは学力的に絶対無理」
両方の気持ちがAさんに伸し掛かっていました。
Aさんに直接、本当に行きたい高校を聞くと、親御様の思いとは全く違う高校でした。
しかし「どうせ行かせて貰えない…」と、辞めている様子でした。
〜Aさんの変化〜
勉強は頑張ろうとはしますが、難しい受験を目の前に、現実から逃げたい様子でした。
担任の私から親御様に、他の選択肢を提案しても、親御様の考えは揺らぎません。
だんだんとAさんは無気力になり、次第に中学校に来れなくなりました。
〜親御様の思い〜
義務教育を終え、高校に入学するにあたり、経済的なことで心配をされていました。
また、今のお子さんよりレベルの高い学力を目指すことで、「受験生」を機に今より沢山勉強をして欲しかったそうです。
しかし、それが逆効果となり、頑張るどころか気力を失ったお子さんを目前に、申し訳なく感じておられました。
その後、親子でも話し合いをされたようです。
最終的に助成金制度を使いながら、お子さんにより合った高校に志望校を変える決意をされ、Aさんは無事に高校生活をスタートされました。
教育費に悩む家庭は結構多いです。中学校担任や高校の入試担当の先生にも相談しましょう!。
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【体験談2】子どもが親に否定されたケース
否定され、追い込まれたBさん
Bさんは早くから志望校を決めていました。親御様の影響もあったようです。
志望校は県内でもトップクラスの高校でしたが、「のびのびと」学問を深められるのが特色の高校で、Bさん親子は憧れを持っておられました。
〜エスカレートする親の圧力〜
Bさんは「のびのびと」学校で習った学びを、自分で工夫して深めるのが大好きなお子さんでした。よく授業も頑張っていました。
一方親御様は、一層受験に燃え、こだわりを持ち、どんどんとヒートアップしました。
勉強以外の行動は厳しく否定し、頻繁に学校や塾の先生にBさんの様子を聞き、まるで監視をしているようでした。
Bさんに対しても、
「もっと勉強しなさい」
「また遊んで勉強してない」
「自分(親御様自身)も資格の勉強頑張るから、あなたもやりなさいよ」
と、追い込むような言葉や態度がエスカレートしている様子でした。
〜Bさんの本心〜
親御様の熱意とは裏腹に、Bさんは自分のペースや自主性を無視し、監視され「勉強をやらされている」ように感じていました。
また、Bさんなりに頑張っている勉強も否定され、要求ばかりで認められない疎外感を、抱き始めていました。
受験生になり、親子の仲も今までと変わってきた様子でした。
〜Bさんの変化〜
中学校ではBさんらしく「のびのびと」勉強をしていました。
しかし塾をさぼり、その時間はこっそり、自分の好きなことをしていました。親御様の言うことは一層聞かなくなってしまいました。
最終的に、Bさんは無事に第二志望の高校に行きましたが、入学してすぐに途中で辞めてしまいました。
Bさんに話を聞くと、「過干渉なお母さんが嫌になった。もっと自由にしたい…」と言っていました。
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【受験生の保護者の皆様へ】
〜お願いしたい3つのこと〜
1. 本人の意志をきちんと聞いてあげて下さい
思春期なのもあり、多くを自分から言わないお子さんも多いです。
しかし、内面も大変成長し、大人顔負けの考えを持っていることが多々あります。
是非、変に子ども扱いをせず、お子さんのお話を尊重しながら話し合って頂ければと思います。
2. 勉強は本人の自主性を育てる声掛けを
勉強をしない時の対処法ですが、まずは「困っていること、不便なこと、不安なこと」を丁寧に聞いてあげて下さい。
お子さんも実は「このままではマズい」とは思っています。そして、それを解決すべく、環境を整えてあげて下さい。
また、勉強に関する「〜しなさい」という命令は避けて下さい。勉強は人に言われてやっても、続くものではありません。
そしてもし、お子さんが「自分でできる・やりたい」と言った時は、背中を押し、応援してあげて下さい。
この時期の彼らにとって、口うるさく言ったり、否定するほど意欲を削ぐものはありません。
それよりも、小さなことほど褒めてあげた方が、ぐっと効果的です。
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3. 本人の行きたい高校へ
親子で意見が分かれた場合、最終判断はお子さんに任せて下さい。
そうすれば、高校生活の中で例え困難があったとしても、自分の責任だと感じ、乗り越えられるでしょう。
逆に「親が言うから、この高校にした」という気持ちで入学すれば、きっと何があっても親のせいにしてしまうでしょう。
それでは、お子さんの成長にもなりません。
今回は実体験2つと「お願い」をご紹介させて頂きました。
繰り返しますが、受験は家族や学校、皆んなで乗り越える「チーム戦」です。
つまり、お子さん本人だけでなく、支えるご家族の皆様も同じように大変なのです。
そして、お子さんが最高の力を出せるよう、バックアップできるのもご家族の皆様です。
今回の記事が少しでもお役に立ち、お子さんにとってベストな結果に繋がれば幸いです。
お子さんのご健闘を、心よりお祈り致しております。
- 本人の意志を聞いてあげる
- 口うるさく言うのはNG
- 最終的な志望校は本人に決めさせる
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