前回の記事では「努力できる子はやっぱり伸びる」というお話をしました。
参考記事:伸びる子は○○がすごい#1~努力~
今回は「伸びる子は粘り強さがある」というお話です。
入学前や低学年のお子さんがいるお父さんお母さんに読んでほしい内容です。
「長い目で見るとこういうふうに成長させておげるといいよ」というお話になっていると思います。
伸びない子、勉強の苦手な子は「粘れない」
最初に、こうなると伸び悩みがくるというお話です。
私は現在進学塾で講師をしていますが、勉強の苦手な子や下位クラスの子の特徴に「粘り強さがない」というのがあります。
どうも、そういう子たちは勉強の仕方が悪かったりします。
- 簡単な問題しかやらない
- 自分のできる問題ばかりやる
- 分からないとやる気をなくす
- 問題を一読して「難しそう」「自分にはムリだ」と思ったら思考停止
勉強は「できないところをできるようにする」ことです。
できる問題ばかりやってもそれ以上の伸びは期待出来なくなっちゃいます。そこで成長が止まってしまいます。
伸びるのは粘れる子
一方で伸びる子には粘り強さがあります。
- 難しい問題、分からない問題でも手を動かしあれこれ考えられる
- ひとつの問題に対して10分、15分使ってでも答えを出そうとする
- 簡単に答えが出せないからこそ解いていて面白いと感じている
- 悩んで苦しんで出せた答えが合っていたときの心地よさや喜びを知っている
国語の字数の多い記述問題や算数(数学)の文章題をイメージすると分かりやすいかも知れません。
おそらく、みなさんも子どものころに記述問題や文章題を見て「うっ」となったり、何となく「考えるのが面倒くさいなあ」と思った経験があると思います。
もちろん基本問題がちゃんとできれば、そんなに悪い成績にはなりません。基本問題をしっかりと得点できる力は必要です。
でも、応用問題を解けると一気に成績は上がります。
塾で働いていると、上のクラスの子ほど難しい問題に対して粘っています。
まずは自分でじっくりと考えて手を動かし、分からなければ担当にヒントをもらいに行きます。
そうしてもう一度自分で考えます。
これが、下位クラスになるとすぐに「結局答えは何ですか」となります。すぐに答えを知りたがって自分で考えることをしません。
粘り強さを身につけるには
次に「どうしたら粘り強さが身につくか」を考えてみます。
先に述べたことと一部重複しますが、
- ものを考えることが「楽しい!」と感じた経験
- あれこれ考えて答えが出せた経験
- 「面倒くさい」「イヤだな」といった負の感情をコントロールできる力を身につける
これらの経験や力が大事になります。
そこで具体的に何をやればいいかのお話をします。
個人的には「思考力系のパズル」をオススメします。
有名なのは「賢くなるパズル」。
勉強勉強していないので楽しみながら取り組めて粘り強さが身につきます。
また、きちんと考えないと答えにたどりつけないので、論理的思考力も身につきますし、ドリルによっては数的感覚や空間認識力も身につくので一石二鳥、一石三鳥です。
これらのドリルは算数(数学)の講師からの評価が高いのもポイントです。
小学生たちにこれらのドリルをやらせることがありますが、勉強の苦手な子でもハマる子が続出します。
すぐに「わかんなーい」と投げ出しがちな子が、粘って粘って取り組む姿勢を見ることは子どもの成長が実感でき、担当としてとっても嬉しいものです。
入学前のお子さんでも取り組めるドリルも多いのでオススメです。
最後に
学年が下のうちは、あまり気にならないことですが、「考えることがきらい」とか「ちょっと難しい問題になるとすぐにあきらめる」とか「文章題ができない」といったことは学年が上がるにつれて大きな問題となってきます。
逆に言えば、「考えることが好き」や「難しい問題でも粘って答えを出せる」ようになればそれだけで大きな大きな武器になります。
そして、これら思考のクセや粘り強さといった性格的にことは小さい頃に形成されてしまいます。
高学年になったときに「これはマズい」と分かっても、人のクセや性格を直すことはなかなかに難しいものです。
これをお読みの保護者のかたもそういった長い目でお子様のことを見てあげるといいのかなと思います。
分かりやすい先生が必ずしもいい先生であるとは限らない
これは塾業界でよく言われることです。
時に考えたり粘り強さを身につけさせたいのならば、教えすぎやサポートしすぎは厳禁です。
子どもが自分で考え、成長しようとしている時には親の優しさががかえって悪になるケースがあることは承知しておきべきでしょう。
最後までお読みいただき有難うございました。
みなさんの子育ての参考になれれば幸いです。
【まとめ】
- 伸びる子には粘り強さがある
- 身につけるには賢くなる系パズルがオススメ
- 子どもの「自分の力でやりたい」という気持ちを大事にし、親も適切な距離感を心がける