今回は低学年のお子さんがいらっしゃるご家庭に向けた国語力をつけるための勉強法の紹介です。
国語力アップは国語の成績だけでなく、算数や社会、理科も含めた総合的な成績のアップにつながります。
この記事では、
「知的活動のベースとなる国語力」をアップさせるための勉強法を紹介します。
*「国語の成績の上げかた」「国語の読解法」についての記事ではありません。
ぜひ参考にしてみてください。
では、最初におすすめの勉強法を挙げます。
・読書
・漢字
・文章の音読と書き写し
・語彙力
・国文法
読書
読書の重要性については語り尽くされているので、あまりここでは述べませんがやっぱり大事です。
ざっくり言えば、それは「言葉をたくさん覚えられ、長い文章でも意味内容を理解しながら読み進める力が身につく」からです。
ここで言う読書は「読書の習慣」のことです。1~2冊だけ読んだだけではダメで、習慣化されている必要があります。
今の子は、本はもちろんマンガも読まないという子が多く、長い文章を見ただけで抵抗感を感じる子も少なくありません。
「読書の習慣がある」ただそれだけでも、読まない子たちに対して大きなアドバンテージを手にすることができます。
習慣化のためには「読書は楽しい」という経験が大切になるので、最初はお子さんが興味を持った本を与えてあげればよいでしょう。
「本をよく読む親だと、子どもも読書をする」と言われるように、子どもは親と同じことをしたがります。
子どもに「本を読みなさい」と言う前に、まずは親が本を読んでいる姿を見せることが大切です。
漢字
教科書を読めない子の多くは漢字が正確に読めません。
たとえば、中学生になって社会の勉強が本格的にスタートしたときにつまずく一つの理由はその漢字の難しさにあります。「摂政」「大宝律令」「墾田」「荘園」・・・。
言葉のはたらきの一つに「分類と整理」がありますが、正しく漢字を読めることは情報の整理と理解につながります。
ということで漢字はとっても大切です。
経験上、「漢字が苦手」という子は小学校3年生くらいから漢字ができなくなってきます。漢字も積み重ねなので都度都度しっかりと覚えておくようにしましょう。
また、漢字の練習を通して言葉を覚えるという点でも大切です。
英語だと単語テストなんかがあると思いますが、漢字テストも「英語でいうところの単語テスト」という意識で取り組み、多くの言葉を覚えるようにしてください。
書き順を意識すると漢字を覚えやすくなりますし、きれいな字形で書けます。漢字ドリルを購入するときはテスト形式のものばかりでなく、書き取り練習タイプのものも購入しておくとよいでしょう。
国語系のドリルなら陰山メソッドなら間違いはないと思います。
単語は文章の最小単位です。単語が集まって文を作り、文章になります。語彙力がないと文章の意味がつかめなくなります。
たかが漢字なのですが、やっぱり大事だということを認識しておきましょう。
文章の音読と書き写し
学校の宿題として出されることも多い音読。
やっぱりこれも効果のある学習の一つで、目・耳・口と感覚器をフルに使うので身になるのが速いというのが特徴があります。
3年生くらいになると国語が苦手かどうかは音読させると分かります。速さ、正確性、リズム。特に助詞や助動詞の読み間違えは注意したいところです。
- 私は国語を勉強します。
- 私は国語も勉強します。
「を」と「も」でちょっと意味が変わってきます。
- 勉強をしてはならない。
- 勉強はしなければならない。
二重否定表現は特に子どもが苦手としますが、このあたりが正確に読めないと文意を間違って理解することになってしまいます。
音読は練習すればするほど速く正確に読めるようになる上、めんどくさい暗記とかがないぶん、子どもにとっても取り組みやすいのがメリットです。
音読教材は教科書や学校で配布される音読ドリルでもよいですが、個人的には「ちょっと難しいかな」と思えるもので大丈夫です。
読みやすい物語文だけでなく、古文や漢詩も積極的に読んでみましょう。少し練習すれば読めるようになります。オススメは後ほど紹介します。
文章の書き写しも効果がある学習です。
学校の授業や宿題でやっているのを見かけますし、Z会にも書き写しの課題が含まれており、書き写し学習はかなり一般的になってきましたね。
教科書とマス目のあるノートがあれば簡単に取り組むことができるのもいいとこです。
書き写し学習は文字の処理速度が格段に上がるというメリットがあります。
例えば、小学校3年生の子が300字程度の文章を書き写すとなると最初は12~13分はかかります。継続することでそれが10分→8分→6分となっていきます。取り組み当初と比べればその速さは約2倍になります。
大事なのは単発でやるのではなくて”継続”です。まずは1日10分、週に3~4日程度で半年ほど続けてみましょう。効果や成長が実感できると思います。
また、書き写しは作文力や表現力のUPも見込めます。
音読と書き写し教材は同じものがいいです。最初に音読してそれから書き写す。効率的・効果的学習になります。
市販のドリルでオススメのものは「徹底反復 たかしま式 視写プリント」です。
ちょっと量が少なくすぐに終わってしまうのが欠点でしょうか。
というこで、こちら↓も使ってみてもいいかも知れません。私の自作プリントです。
当サイトの以下のページは結構使えると思います。
全学年にある「平家物語」や「学問のすゝめ」あたりも練習すれば読めるようになります(最初は保護者が付き添って一緒に読んであげる必要がありますが)。
繰り返しになりますが「ちょっと難しいかな」くらいのほうが力になると思います。
取り組む際の注意点は正確性を大事にしてください。ひらがな一字まできっちり正確に読んで写すことです。
語彙力
“漢字”の項でも触れましたが、文章の最小単位である言葉を覚えることは正しい文章理解の第一歩です。
同じことがらを指し示すにも書き手によって表現は異なります。
たとえば、「作りごと」「虚構」「フィクション」といった具合。
語彙が増えれば、色んな書き手の文章や様々な表現の理解が可能になります。
語彙が豊富であることは文章の読み手としてだけではなく、書き手としても活きてきます。
相手に応じて適切な言葉、相手が理解しやす言葉を選ぶことで、自分の考えを伝えやすくなります。要は表現力も磨かれるということです。
語彙力を身につけるには読書がいいのですが、もっと効率のよい勉強法を考えると市販のワークに取りかかるのが速いかも知れません。
将来的に中学受験を考えているなら以下のもありです。
斎藤先生のものなので外れはないです。
国文法
高校受験でよく言われることに「数学や社会、理科の問題文を読んでも、受験生の2割が主語・述語・修飾語の関係が分からない」があります。
特に主語・述語の関係は「何が-何だ」という文の一番大事な要素です。
ここが分からないのに、文が理解できるハズもありません。
文法は規則であり、話す・聞く・書く・読むといった行為の際に無視できるものではありません。
例えば、英語を習うにしてもまずは単語、次に文法を学びますよね?
国語も言語である以上、文法を学ぶというのは当たりまえのことなのです。
にもかかわらず「文法知らなくても、何となく文章は分かるし」という理由で文法が軽視されていますがとっても大事です。
詳しく述べると専門的に内容になりすぎるので省略しますが、以下の点だけは意識しておきましょう。
- 主語、述語、修飾語は文の一番大事な要素であり、ここを抑えられないと文意がつかめない。
- 英語が苦手になる子は国文法の理解が不十分。
一番意識しておきたいのは「文章内容を正確に読み取るには正しい文法的知識が必要」ということです。
Z会やスマイルゼミであれば文法をきちんと学ぶ機会がありますが、受講していない子は上に挙げたようなドリルで補う必要があります。
まとめ
ここまで長々と書いてきましたが、「なんだ、別に変わった勉強法じゃないじゃん」と思われた方もいるかも知れません。
そうなんです。ここで挙げたオススメの学習は一般的に言われる国語の勉強法の王道、ど真ん中を行くものです。
短期間でめちゃくちゃ効果が出る魔法の勉強法ではありません。
ただし、「短期間で身につけたものは、失うものも早い」ということは注意しておきましょう。
一見遠回りと思ったことが、実は一番の近道だった――ということはよくあります。
ここで挙げたおすすめの学習はどれも、継続的に取り組まないと結果は出ません。
ただし、継続すれば必ずプラスになるものです。
また、この記事を書く際に「学年や学力を問わず、どんな子が取り組んでも効果が見込める学習法」であることに留意して紹介しました。
ぜひ、普段の学習の中に取り入れてみましょう。
みなさんの参考になったのであれば幸いです。
・読書の習慣
・漢字はコツコツと
・文章の音読と書き写し
・語彙力をつける
・国文法は意外に大事
最後までお読みいただき有難うございました。