小学生の英語学習-英会話のみはNG!文法もちゃんとやるべき

小学校でも英語が必修となり、小学生の英語教育への関心は一層高いものになってきました。

 

この記事をお読みの保護者のみなさんも、

「ウチの子に英語をやらせようか」

と考えたことがあるかも知れませんね。

 

ウチの子は、小学校で英語の授業を受けています。

ネイティブの先生とお話をするのはとっても楽しいようで、いつも授業を楽しみにしています。

そうした英語の楽しさに触れたウチの子は「英会話教室へ通いたい」と言うことがあります。

 

しかし、

  1. 英会話をやってきた塾生の英語の成績
  2. 精度の高い英文解釈力が求められる現在の入試
  3. 2021年から使用される、英文がやたら長い&できるだけ文法を詰めました!みたいな教科書

を見ると、そこまで英会話の必要性を感じていないというのが本音です。

今回は、「小学生が英語を学ぶこと」について書いてみたいと思います。

会話に偏った勉強はNG

「小学生の英語学習-英会話のみはNG!」――――

ちょっとあおり気味のタイトルをつけましたが、これは英会話がダメ!といいたいわけではありません

まず最初に結論を述べておきます。

 

それは、

英語をやるならきっちり文法も勉強したほうがいい
です。

以下でここのところを詳しく説明していきます。

塾あるある-「英会話をやってました」「英検持ってます」は信用しない

塾あるあるに、

「小さい頃から英会話をやってました」

「英検を持ってますは信用しない」

というのがあります。

 

こう書くと反対意見も多そうですね。

 

ちゃんと言えば、

「小さい頃から英会話をやっていたり、英検を持っていても英語の成績がいいとは限らない」

ということです。

今回の記事の前提になっているのは、この「いい成績が取れるとは限らない」です。

「英語が話せるようになるか」

とか

「海外に行っても困らないようにするため」

といった視点ではないので、そこのところのご理解をお願いします。

で、成績というのは、中学校の定期試験の点数だったり、模擬試験の偏差値だったり、入試の結果だったりです。

 

「小さい頃から英会話をやっていたのによい成績が取れない子がけっこういる」というのは毎年毎年の傾向です。

 

今年も、「英会話をやっているので英語は受講しません」という中1の塾生が何人かいますが、2学期にして早くも成績が落ち始めました。

「本格的に英語をやり始めたのは中1から」という生徒たちにどんどん抜かれていきます。

それこそ、幼稚園や小学校低学年のころから英会話をやっていた子たちです。

たかが数ヶ月英語を勉強した子たちにあっさり抜かれるのはちょっと可哀想です。

で、英会話をやっている子の多くは英検も持っていて、たいていは上の級に合格していることが多いです。

もちろん、英検を持っていることはとってもいいことなのですが、英検で上の級を持っている割に学校や模試の成績が取れていません

で、そういった現象は今後も見られのではないかと予想しています。

そのあたりのお話が次になります。

会話中心の英語教育は・・・

全体的な英語の流れとして、これまでの文法中心の英語学習を見直し、「聞く・話す・読む・書く」の4技能をバランス良く学習する方向にシフトしつつあります。

大学入試共通テストではリスニングの配点が増えましたし、都立高校の入試でも従来のリスンニングに加え、スピーキングテストの導入も予定されています。

 

そういう意味で、会話やコミュニケーションも大事になってくるのは間違いありません。

しかし、あまりにこれが偏ると最終的には困るのではとの思いがします。

 

なぜかというと、2021年4月に改訂される教科書にあります。

私が見たのは中3で採択された英語の教科書です。

小学校の英語教科科もあってか、中学校で習う文法がまず増えました。

 

これまでは高校で学習していた、

・仮定法

・原型不定詞

・現在完了進行形

などが追加になっていました。

 

また、会話文が大きく減り、長文がかなり増えています。

はっきりと難しくなっていることがパッと見でわかります。

 

新学習指導要領では「聞く・話す」を含めた4技能をバランスよく高めることに主眼が置かれているのですが、新しい教科書を見ると「読む力」を重視しているような錯覚さえ覚えます

(「聞く」「話す」については授業をオールイングリッシュにすることで力がつくと考えているのかも知れません)

ここで押さえておきたいのは、中学生の教科書が

「ただでさえ文章が長くなっている上に文法も難化したことで、英文の解釈がさらに難しくなった」

ということです。

 

当然、教科書が難しくなれば、テストで点を取るのも今まで以上に難しくなると思われます。

きちんと文法的に英語を理解している子とそうでない子の差はもっと拡がるでしょう。

フィーリングでは入試問題が解けない

東京都の入試問題を挙げておきます。

本文はカットして、設問部分だけです。

 

\ 都立の共通問題 /

引用:東京都教育委員会

見て分かるのは、

  1. 質問が英語
  2. 選択肢も英語

ということです。

 

ちょっと前までは「本文の内容が何となく掴めていれば、何となく正解を選べる」問題になっていました。

「フィーリング」とか「雰囲気」でも解けたわけです。

 

ところが、近年は選択肢を練るようになってきました。

詳しい説明は省きますが、「いわゆるひっかけ的な選択肢」も出されるようになっています。

このへんが英検と違うところで、「英検3級を持っていても公立入試で点が取れない」という子がけっこういる原因かと思います。

 

 

文法知識を直接問う問題は出題されませんが、「ひっかけのワナ」にハマらないためにきっちりと訳せる力が必要です。

そして、精度の高い訳を可能にするのは、言うまでもなくしっかりとした文法的知識の習得です。

ちゃんと勉強したほうがいい

中学校の定期試験はまだまだ文法の理解を問う問題が多いですが、英会話をやっている子は、文法の知識が甘い傾向にあります。

具体的に言うと以下の2つです。

  1. be動詞と一般動詞の識別
  2. 動詞や助動詞といった品詞の理解

英会話をやっている子たちは、これらをフィーリングとか雰囲気で理解しようとします。

文法のルールを意識していません。

また、日本語もきっちり理解していない傾向があります。

たとえば、

~する→現在形
~している→現在進行形
~した→過去形
~していた→過去進行形
~したところだ→現在完了

日本語を見て、正しい時制が掴めていないと点は取れません。

 

結局、先ほど挙げた

  1. be動詞と一般動詞の識別
  2. 動詞や助動詞といった品詞の理解

も、日本語の文法の知識があれば、理解することはそれほど難しくはありません。(詳しい説明は省きます)

だから、「英語をやる前に母国語である国語をきちんと勉強すべき」みたいな意見が出るわけです。

また、英会話をやってきた子が中学生になって英語文法を勉強し始めた際に、「身についたヘンな癖」が中々抜けなくて苦労している場面を見ることもあります。

ということで、きちんと文法も勉強しておいたほうがいいよということです。

国語のこれは勉強すべし

英語を理解する上で、必要な国語の知識を3つ挙げます。

これは小学校1年生から習うことです。

きちんと理解しておくと、必ず英語の理解につながると断言できます。

 

  • 文の種類4つの識別

・何が-どうする
・何が-どんなだ
・何が-何だ
・何が-いる/いない

これが識別できるとbe動詞と一般動詞の理解がスムーズになります。

 

  • 品詞の識別

きちんと国文法でも品詞を理解しておきましょう。

厳密には英語の品詞と異なりますが、知っておくとプラスになるはずです。

 

  • 文の成分

特に、主部・述部・修飾部といった連文節の理解はしておきましょう。

中学3年生なると英語で分詞や関係代名詞を学びますが、ここでつまずく子たちは、国語の連文節への理解がありません。

 

国文法の知識は英文法の理解を確実に助ける、ということは意識しておきましょう。

今後のことは分からないけど・・・

ここまで、長々と書いてきましたが、もちろん英会話を早くから始めるメリットもたくさんあります。

  • 耳が英語に慣れる
  • 英語への抵抗が少なくなる
  • 小学校の英語の授業についていける

などがまず考えられます。

その他には、

「海外、異文化に興味を持つきっかけとなる」

「英語が話せることで自信がついたり積極性が出る」

といった効果も期待出来るかも知れません。

 

小学生のウチの子が英会話をやりたいと言っています。

何かにチャレンジするということはとっても大事なことですし、それを応援してあげるのも親の務めです。

一方で「英会話だけの英語学習」についてはちょっと不安が残ります。

その前提になっているのが「中学校のテストや高校入試で点が取れるか」ということです。

 

英語教育改革の柱は「聞く・読む・書く・話す」の4技能の強化であり、バランス良く学習することが重要です。

  • きちんと英文法も学習する
  • 国語の文法も勉強する

我が家では、この2点もちゃんと取り組めるバランスの良い学習スタイルを考えているところです。

 

今後の英語教育、特に学校の試験であったり高校入試であったりがどのように変化して、どういう問題が起きるかは予想が難しいです。

現実的には、来春から新しい教科書を使った授業がスタートします。

来年の今ごろには、「今の中学校の英語はこうなっています!」というお話ができればなあと思いますが、「やっぱり文法をきっちりしてないとダメ」みたいな話になっているような・・・。

学校の成績や入試のために英会話ばかりをやるのは危険。文法のお勉強もきちんとやる必要があります!
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